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2006年8月27日 (日)

ロック・クロニクル

「ロック・クロニクル 1952-2002」 -現代史の中のロックンロール-   広田寛治

私は、40歳代後半ですが、私と同世代や団塊の世代の方は、青春時代をロックと共に過ごした人も多いのではないでしょうか。

私は、ビートルズ解散後が中学生時代でしたが、それでもビートルズから洋楽にのめり込んでいきました。さらに、上の世代の人にとっては、学生運動やヒッピームーヴメント、反戦運動などと共に、フォークやロックを聴いてきたのではないでしょうか。

現代では、ロックは一つのジャンルで、大勢の若者が聞くようには思えません。確かに、私の若かりし頃のサウンドを残してくれているバンドもあります。アメリカではREMとか、イギリスではオアシスとかですかね。一時はラップやヒップポップばかりで、おじさんの私としてはFMから流れてくる音楽で聴けるものが少かったような気がしていましたが、近年は少し昔のロックや新しいバンドでも昔のロックフレーバーを取り入れた音が聴けるようになってきたのかなと思っています。

ロックンロールは比較的新しい音楽ですが、たいていは、エリヴィス・プレスリーのハートブレイクホテルの大ヒットを嚆矢として世界中に広まったと記述されているものが多いと思います。広まったことに関してはそれで間違いはないのでしょうが、そもそもロックンロールの始まりは何かから書かれていて、その時代背景や大きな事件との関連で年代順に解説してくれている本はあまりないと思います。それが書かれているのが本書の特徴だと思います。

特に、黒人音楽家ら生まれたロックンロールを説明する上では、公民権運動とミュージシャンの関わりを語らないわけにはいかず、改めて本書から、合衆国では、60年代半ばまで公然と黒人差別があったことを認識させられます。(64年に黒人差別をなくすための公民権法成立、68年に中心的人物であったキング牧師が暗殺されており、そんなに古くない昔まで、人種差別があたりまえのようにあったということです)

エルヴィス好きの小泉首相なら、当時の世界やアメリカの時代背景をご存知なのでしょうが、まだ40代の私にとっては、アメリカでの黒人差別の歴史の中から生まれてきたロックンロールの歴史は本書を読むことによって頭の整理ができたのです。

1940年は(50年代もそうですが)、まだ、白人と白人以外が区別されており、音楽シーンにおいても、黒人はリズム&ブルース、白人はカントリーウエスタンを聞き、ラジオ局も分かれていたし、ヒットチャートも別々でした。しかし、その当時の白人の若者の間に、黒人音楽の流れるようなリズムに心揺さぶられる音楽に心を踊らされる人々が増えてきたことから、黒人音楽と白人音楽の融合が始まります。

本書においては、年代別に代表的な歌手を通して、時代と音楽が語られていき、最後は1970年のビートルズの解散(アビーロード、レット・イット・ビーの紹介)で締めくくります。本書の2部としては、1950年代から2002年(ジョージ・ハリスンの遺作ブレインウォッシュド)までを歴史年表にしてくれています。

本書はロック好きには読んでいて楽しいし、かつ歴史や若者カルチャーの変遷なども理解できる内容になっています。音楽ファンとしては、蔵書に加えておきたい一冊です。

ロック・クロニクル1952~2002―現代史のなかのロックンロール Book ロック・クロニクル1952~2002―現代史のなかのロックンロール

著者:広田 寛治
販売元:河出書房新社
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