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2006年9月15日 (金)

LOHASに暮らす

「LOHASに暮らす」 ピーター・D・ピ-ダーゼン

LOHASという言葉は、今、確実に日本では流行しています。それは流行なのか、それとも、徐々に生き方として定着してきているのでしょうか。

その前に「LOHAS」の本当の意味や姿を知りたくって本書を読んでみました。

LOHASはご存知の通り、「Lifestyles of Health And Sustainability」の略ですが、アメリカで生まれた造語です。

アメリカでは、1980年代から社会学者のポール・レイが、市民層の意識や価値観の調査を行ってきました。15年間の調査の結果浮かび上がってきた層のひとつがそれにあたります。ぽーる・レイが2000年に上梓した本(カルチュラル・クリエイティブス)で、アメリカ人の26%が新しい価値観や世界観を持った層に属しているとしました。しかし、その新たな価値観を持つ人々は自分たちと同じ価値観を持つ人々は5%くらいだと考えており、マイナーな存在だと考えていたようです。ところがその本に共感を持った社会運動家の中で支持を得て、エコ商品を販売するジルカ・リサビとブレストを重ねた結果、コンセプトとして最も語感がよく、意味も言いえて妙だということで意見が一致したのがLOHASだったのです。

LOHASが登場する以前も、環境を志向するという意味では、「エコ」や「グリーンコンシューマー」というものがありましたが、何が違うのでしょうか。

グリーンコンシューマーはストイックな生き方を選び、多くの人に受ける発想ではありませんでした。まt、一人の力に対し無力感を持つこともありました。

ところが、LOHASは、もっと利己主義的で、自分から発想し考えていくスタイルをとります。現代社会で暮らしている以上、どんな人でも消費するものだから、頭からそれは否定しません。ただ、安易にキャッチコピーに流されることなく、ひとこだわりしようという意識を持って買う。どんな企業が、どんな方法で、その製品を作っているのか。対象は、無農薬・無化学肥料の野菜でも、オーガニックコットンのTシャツでも、自然素材の建材でも何でもいいのです。

今まで自分はグリーンコンシューマーではないが、じゃあいったい何だろうと思ったとき、そこには答えがなかったのですが、LOHASというコンセプトが答えを持ってきてくれました。

最近、LOHASという言葉が使われるたびに、おしゃれなエコというイメージを持ってしまいますが、LOHAS志向の人々は社会意識が高いといわれています。自然エネルギーや貧困や不平等、人権などといったさまざまな社会問題に対する関心が高いのです。

LOHASが内包する課題としては、(1)人々の健康問題 (2)地球規模の環境問題 (3)グローバリゼーションの中での貧困(南北問題)、があります。LOHASはこれから先の時代に避けては通れない3つの大きな潮流を内包しているのです。つまり、心身の健康に気を配ろうと思ったら、その地点だけにとどまっていては解決できないから、必然的に自然環境や社会問題に意識を向けざるを得ない。自分の健康の延長線上の同じ地平に、自然や社会、地球の健康がつながっていると感じているのです。

2050年には地球人口は約90億人前後となると見られています。現在、裕福な人々はたった10億人だと考えられており、2050年にはさらに80億人もの人々の豊かな生活を実現しなければなりません。そのためには、これまでの否定形の「エコ」ではなく、提案型の「LOHAS」が有効になると著者は考えています。

20世紀までは、「市民的エコロジー」と「企業的エコノミー」は対立すると捉えていました。しかし、現代では、市民のLOHAS的ライフスタイルへの憧れと企業のLOHAS的ビジネスの追及がオーバーラップし始めています。

いまや企業も一方的に「これがLOHASだ!」という売り方ではなく、受けてである生活者からの共感などが得られるために生活者参加型のマーケティングを行うようになってきました。昔のエコのようにアンチ企業的なコンセプトは多くあったはずですが、LOHASは市民と企業双方の視点にたった価値観であり、新しい関係性を次々と生まれていく可能性を持ちます。

LOHASが流行る背景としては、何といってもライフスタイルの多様化があり、世の中がモノの豊かさから心の豊かさへ移行してることが伺えます。市民の中にさまざまな価値観が広がり、かつてと同じモノサシでは通用しなくなってきているのです。

LOHASは、年齢や収入、職業といった「外観」で消費者を捉えるのではなく、「価値観」で生活者を見ていきます。

人々は、単なるモノではなく、自己実現するための生き方を可能にする商品を求めています。LOHAS層は、モノと企業姿勢をセットで購入するのです。

持続可能性で豊かな将来をつくるには3つの車輪があります。前輪は、価値観やマインド、意識の変化。後輪の右には、技術やツール、テクノロジーの変化。後輪の左には、仕組みや制度、ビジネスモデルなどシステムの変化。これらすべてが同時に絡み合って初めて、サステナビリティの橋のブロックが積み重ねられていきます。今、私たちが行うべきは、この橋を作ることです。

今から10年ほど経てば、日本の社会でもLOHASという言葉そのものは影をひそめ、そのかわりLOHAS的なモノやサービスがいたるところで標準化しているのではないか。

LOHASはすっかり世の中に浸透し、普通の選択肢になっているでしょう。

LOHASに暮らす Book LOHASに暮らす

著者:ピーター・D. ピーダーセン
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