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2006年9月18日 (月)

図解 よくわかる日本版SOX法

「【図解】よくわかる日本版SOX法」  萩原睦幸

会社でSOX法対応に首を突っ込むことになり、慌ててSOX法の勉強です。

そもそも、日本版SOX法とはなんだ? きちんとした定義も知らずに、会社の内部統制をちゃんとすることくらいにしか思っていませんでした。

2006年に商法が大幅に見直され、ばらばらに存在していた「商法の第2編」「有限会社法」「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」などを現代表記に改め、内容もわかりやすくして、5月に施行されたものが、(新)会社法です。

この会社法の中でもSOX法と同様、内部統制に関わるシステムの構築を義務付けています。ただ、この義務は資本金5億円以上の会社を想定しています。

(わが社では、まったくもって対象です)

また、金融庁では、2005年11月に「ディスクロージャー制度の信頼性確保に向けた対応」を公表し、12月にその第2弾を公表し、内部統制に関わる検証基準の明確化を企業会計審議会に要請しました。企業会計審議会では、内部統制部会を設置し審議を重ね、2005年12月に「財務報告に係わる内部統制の評価及び監査の基準案」を公表しました。そして、その後も審議が重ねられ日本版SOX法へとなっていくわけです。

日本版SOX法という名称は、いわゆる俗称に過ぎず、正式には「改正証券取引法」がこれに当たります。ただ、法律には基本的な大枠しか記載されていないので、法律の下位に位置づけられる「基準」や「実施基準」があります。「実施基準」は「基準」をさらに説明したガイドライン的な位置づけになっています。この実施基準は、3部構成となっており、「1.内部統制の基本的枠組み」「2.財務報告に係わる内部統制の評価及び報告」「3.財務報告に係わるに内部統制の監査」となっています。

そもそも内部統制なんてことが大きく言われだしたのは、米国での不正経理問題などからですが、最近の我が国の企業動向も反映しています。

現在では、成果主義や実績主義が台頭し、今までの戦後の経済成長を支えてきた終身雇用や年功序列が完全に崩壊してきており、大卒の新入社員も3年以内の離職率が30%を超えています。大学を出ても定職につけず、フリーターで生活をしのぐ人も多くいます。

その上、単純労働者には多くの外国人労働者が就労していますし、一企業に一生をかけたサラリーマンにとっては隔世の感があります。

このような状況を踏まえて企業内を見渡してみると、会社への忠誠心など願うべくもなく、社員同士の互いの協力やコミュニケーションなども満足に取れていないのが現実です。一昔前までは、社員なのか外部の人なのか人目でわかったものが、今や正社員、パート、アルバイト、契約社員、部外者が混在し、一目では見分けがつかないほど社内環境が激減しています。

(私の職場は、システム開発の部門で特にそうなのですが、前の席の人と両隣の人は、外部ベンダーやコンサルタント会社の人で、フロアでも社員かどうかを区別するのは、胸からぶら下げているIDカードの色だけです)

このように時代が変わってくると、人間の良心に訴えることが機能しなくなってしまいました。成果主義が主流となり、会社の人間関係はものさびしくなり、お互いが助け合うよりは足を引っ張り合うことになってきます。

つまり「性善説」では解決できなくなり、「性悪説」の観点に立って考えることも必要になってきました。

そこでどうしないといけないということがSOX法で謳われているわけです。

情報システム部門担当者の私としては、システムの面から本書を読んでいますので、システムよりの話をします。

日本版SOX法の目的は、「自社のプロセスを改めて見直すことにより財務報告の健全化をはかり、自社の経営の有効性を高めると共に一般投資家を保護する」ことにあります。

米国ではSOX法対応のために企業側が莫大な資金を投入したと言われています。これは、当初のISOもそうだったのですが、すべての作業には必ず何らかの手順書が必要であるとの噂が広まり、膨大な時間と労力をかけて、やみくもに手順書作成に取り込みました。ところが一時的な整理に役立ったものの、その後のシステムの実施・運用になるとその膨大な手順書が役立つどころか業務の足かせとなり、企業の経営に大きな支障をきたすものとなりました。すべてにわたり業務の細部まで文書化しすぎたために、ちょっとした変更にはまったく対応できない手順とか、手続きに融通性がなく社内がギクシャクし全体として官僚的になったなど、その評判は芳しいものではありませんでした。

今回の日本版SOX法も、ISO対応の二の舞を踏んではなりません。全部対応するのではなく、重点志向で対応することが効果的です。

それには、自社の業務の中で、財務報告に影響するプロセスを洗い出し、どこにリスクが潜んでいるかを特定し、そのリスクを軽減する管理策を立てることで十分に日本版SOX法はクリアできるはずです。

そこで、先ずやるべきことは、財務会計関連に絞って、「いったい現状のどのような業務がどのような手続きで行われているかを正確に把握することです。」また、そこでの責任と権限を見直すことも重要です。

みなさん、どうですか。少しは安心しましたか。

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