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2007年1月27日 (土)

ケータイの未来

「ケータイの未来」  夏野剛

ドコモがiモードを立ち上げたときに、ドコモが松永真里をリクルートからスカウトしてきましたが、そのとき松永が引き連れて、ドコモに乗り込んだのが本書の著者である夏野です。今やNTTドコモの執行役員にまで上り詰めましたが、通信業界では異端児で、だからこそiモードをここまで引っ張ってきた人物です。ドコモ社内ではそうとう浮いていて扱いは難しそうな人物ではあります。
本書では、夏野が描くケータイの未来を示してくれます。これまでは、通話料とデータ通信料が利益の柱でしたが、今や、データ定額制などで、通信会社が受け取れる利益に限界が出てきました。著者の考えるケータイの今後の収益源は、金融リテールです。ドコモは、個人の消費活動にあわせた総合的なサービスを提供するといいます。ケータイはユーザーとともに進化しており、それが「通信インフラ期」「ITインフラ期」から「生活インフラ期」へ移行していると考えています。

数字で見てみると、モバイルコマースの市場は、2004年度は9710億円以上になるといわれており、1兆円をうかがう規模に成長していることがわかります。
iモードに続いておさいふケータイやクレジット機能が個人のライフスタイルを変えるのだといいます。真に強い企業、影響力がある企業は、ユーザーのライフスタイルを変えられるのであり、ドコモはそれができるとします。

ドコモは、はじめおさいふケータイを初め、三井住友カードと組んで、iDを初め、今は、自前のクレジットであるDCMXを立ち上げています。なぜ、ドコモは、金融分野に攻め込んでいるのでしょうか。
第一の理由は、クレジットカード産業は急速に伸びている産業であるからです。日本経済の中で、あらゆる産業が成熟している中で、取扱高が2年ごとに2~3兆円ずつ増えているのです。日本の消費者向け市場の中で、ここ数年ケータイ市場が高成長を遂げていますが、クレジットカード産業はそれを上回る成長を保ちつつ、今尚、膨らみ続けているのです。
ここに目をつけ、ケータイ1台当たりの取扱高を上げようというわけです。

ドコモは、5000万人以上にケータイを持ってもらっており、クレジットサービスを持ってもらうには、いいポジションを持っています。また、これまでの通信料などの支払い状況もわかっており、与信に関しては有利な状況にあります。
著者が、著者らしいのは、単にクレジットサービスをドコモが提供して、生活を便利にするだけでなく、デザインでもあたらしくかっこよくなくてはならないというところです。今ある、コンシューマー金融サービスには、必ずしもブランド戦略があったり、かっこよさを追求しているようには見えないといいます。著者は、日本でのクレジットカードの利用率を上げるひとつの方策が、クレジットカードを使うことの楽しさやかっこよさにあるのではないかといいます。
そして、数年後には、ドコモは電話会社ではないと呼ばれていないかも知れないし、それが望ましいと考えています。

本書のほとんどは、よく考えるとドコモの戦略を書いているもので、一体、未来はどこに思っていたら、最後のほうに、著者が考えている未来が書いてありました。未来といっても20年先くらいの未来です。まず、形状がかなり変わった端末が登場しているといいます。著者が未来を想像すると機能より、形状の進化に興味を持っているとのことです。iモードを考えたときには、インターネットが普及していく中で、コミュニケーション機能と情報配信機能で生活が便利になることは予測できたことであり、今後も、ライフスタイルが大きく変わらない限り、機能も大きく変わらないと予測します。
著者の考えるケータイは、小さな画面でなく、バーチャルなスクリーンを投影して、それを見たり、キーボードもテンキーではなく、フルキーボードがバーチャルに現れてそれを操作するとかいうものです。
これも、12チャンネルのワールドビジネスサテライトのトレンドたまごに登場しているような話だと思いますが。

本書を読んで、ドコモの目指す方向はだいたいわかったような気がしますが、auは、ますますコンテンツを豊かにしているような気がしますし、ソフトバンクは、月額980円で、定額制になってきた通信料をもう一度従量制に戻すような動きがあるように見えるし、なかなか目がはずせない業界です。

ケータイの未来 Book ケータイの未来

著者:夏野 剛
販売元:ダイヤモンド社
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2007年1月26日 (金)

戦争経済に突入する日本

「戦争経済に突入する日本」   副島隆彦

私が読む傾向と違う本ですが、いつもの経済とは見方も違うので読んでみました。
著者は、船井幸雄氏の「日本壊死」という本を読んだこともありますが、世界経済の裏には、ヨーロッパのロスチャイルド系と米国のロックフェラー系の2つの大財閥の企みが働いているとの世界観からの話だったと思いますが
本書もその世界観に立っていると思います。

世界経済は戦争を必要としています。ジョージ・ブッシュを操っているのは、ロックフェラーであり、戦争によって、武器の在庫を掃かせて、武器製造企業を潤わせるとともに、逆ケインズ政策で、公共投資ではなく、公共破壊で新たな需要を喚起させようとしているというのです。
書店で、「9.11テロ捏造」という本が出ていますが、内容は、9.11はブッシュによる捏造であり、戦争をするために手段として自作したと言うものだと思います。本書でもそれは事実だとしています。

著者の見方としては、現在は日中戦争前と似ており、歴史は70周年周期で繰り返すと言います。読んでいるとけっこう怖い話です。
少なくとも来年は経済成長が続くとする意見を多く見ますが、本書では、やがて米国は、トリプル安に見舞われ、ダウは1万円を切り、ドルは100円を割ると言います。

最後に、株や国債などのペーパーマネーには手を出すなと説いています。これからは、実物経済に時代だと。コモディティ(金、銀、銅、原油、大豆、とうもろこしなど)など商品が重要であると。
最近は、金も値上がりしているし、今後の中国やインドの成長を考えれば、実物経済の重要性は高まってくることは確かだと思います。

本書の見解に賛成するかどうかは別として、世に中にはいろいろな見方があることも知る上では、一読しておいても面白いかなと思います。

戦争経済(ウォー・エコノミー)に突入する日本―見せかけの「景気回復」の陰で国が企んでいること Book 戦争経済(ウォー・エコノミー)に突入する日本―見せかけの「景気回復」の陰で国が企んでいること

著者:副島 隆彦
販売元:祥伝社
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2007年1月21日 (日)

これからの10年、新黄金時代の日本

「これからの10年、新黄金時代の日本」 ビル・エモット

ビル・エモット氏といえば、「日はまた昇る」や「日はまた沈む」など昔からの日本経済を見続けているエコノミスト。それも英国「エコノミスト誌」の前の編集長です。
景気回復という言葉が実感できない日本人に、少し力を与えてくれるような本です。タイトル通り、これからの10年は日本の黄金時代が来るというのです。ただし、日本が世界経済の覇者になるとは言っていません。やっと正常で豊かな先進国に戻ってきたくらいでしょうか。
少子高齢化問題や格差問題、年金問題などが山積していますが、これらがあるから、まだまだ、経済問題が解決されていないと思うのではなく、他の先進国と同様の問題を抱えているのであって、経済が復活していないという見方は誤りだとします。
著者は、世界経済や政治を長らく見てきた立場として、日本人に安心感を持ってもらいたいと思い、本書を書いたと言います。

日本では、ホリエモンや村上世彰の事件から、市場原理主義になったわけではなく、経済スキャンダルは昔からあり(ロッキード事件など)、むしろ、今こそ法律が厳格に施行し、事業経営の倫理基準が引き上げられると考えています。

ただ、今後、何もしないで10年安泰といっているわけではなく、生産性の向上がなければ、生活水準の引き上げはないとの注文も忘れていません。生産性の向上こそ、より高い賃金や利益を生むお金を作り出すものだからです。(最近、第三次産業の生産性の低さについては、OECD先進国の中でも日本は結構下位でしたよね)

また、日本の様に大規模経済になると、政府がどの分野を伸ばそうかと考えるのは無駄だと言います。ナノテクなどに予算を投じていますが、民間が自分自身で考え出さなければならないとダメだと。

日本は、人口が減少し、労働力不足になりますが、次の条件がそろえば、構造的に景気拡大を続けることができます。第一に、競争からくる圧力により、革新が行われる。二つ目が銀行や金融市場が規律正しく振舞うこと。さらに、重要なことは、研究分野に対して多額の投資が必要なことです。

日本が中国やその他経済がもっとも急速に伸びている地域に隣接することも大きな幸運らしいです。中国などの興隆に日本は助けられているのです。
また、収入格差の問題も労働力不足が起こってきており、企業も労働者をより多く確保しなければならず、所得格差は間違いなく解消の方向だと信じると言います。

世界は日本を重要で普通の国であると見てきたとも言います。それはイラクへの自衛隊派遣によります。(イギリス人から見ると、やっと世界の一員と見たのでしょうか)そして、世界は日本の経済復活を歓迎すると。

著者の意見を読んでいると、結構、励まされますが、安倍内閣が改革を続行し、経済成長戦略をしっかりとらないといけないということですよね。

これから10年、新黄金時代の日本 Book これから10年、新黄金時代の日本

著者:ビル エモット
販売元:PHP研究所
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2007年1月20日 (土)

グーグル・アマゾン化する社会

「グーグル・アマゾン化する社会」  森 健

今年の前半から、ロングテール現象など騒がれましたが、ちょっと待ったをかけた本です。立ち止まって、よーく考えてみようという感じです。

アマゾンの販売額の多くが売れ筋商品外だったり、グーグルのアドセンスやアドワーズで、地方の小さな商店のものが売れたりしましたが、今はどうなのでしょう。
検索連動広告で売り上げを劇的に伸ばした小さな商店や会社がたくさんありましたが、一方で、それらは一時的な現象であったことも、また事実です。検索連動をやめた途端に売り上げがそこそこになってしまったところも多いようです。
膨大な情報がウェブに広がるなかで、ロングテールのような現象が機能しているのは事実でしょう。しかし、現実には、誰もがグーグルやアマゾンのような成功を享受できるわけにはいきません。小売にしても、ロングテールを享受できるのは、在庫スケールを持っているトップ企業だけかもしれません。さもなければ、相当、ニッチな商品を扱うかです。結局、ウェブから広く薄く利益を集められる「勝ち組」は、ごく一部のヘッドでしかなくなりつつあるようです。商品の多様化で利益を得るロングテールは、その裏返しとして、ヘッドという一極集中を招くのではないかと。

本ブログでも、トーマス・フリードマンの「フラット化する社会」を紹介しましたが、本書では、「フラット化」という局面を修正して、巨大な一極化とフラット化の社会ではないかと言います。

本ブログで10月14日に「複雑な世界、単純な法則」という本を紹介しました。その中でネットワーク理論を紹介していますが、インターネット=ウェブだけでなく広く世の中のネットワークにもあてはまる理論であり、ネットワーク内に多くを集める中心が出てきます。アマゾンやグーグルのように一極に集中するハブまたはノードと呼ばれるものができるのです。
集中する場所となるとスケールメリットが働き、一番のところに更に集中が起こり、お金持ちがさらにお金持ちになるという構造が生まれます。
例えば、書籍が売れるのも、内容より「売れていること」にこそ訴求力があったりします。
また、SNSのように閉じた集団が流行っていますが、集団の一極化が生じ、偏った情報が流通する可能性もあります。

私たちユーザーが気をつけないといけないことは、スケールフリーネットワークによって一極集中が進む社会にあって、いかに多様性や異質性をくみ上げる必要があるのでしょう。

グーグル・アマゾン化する社会 Book グーグル・アマゾン化する社会

著者:森 健
販売元:光文社
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2007年1月14日 (日)

「性愛」格差論

「性愛」格差論    斎藤環・酒井順子

本書は、格差論と名があり、性愛という言葉があるので、ひょっとしたら、モテル、モテナイという格差論かと思われそうですが、そうでもない一筋縄でない対談集です。斎藤氏は精神分析の
医者でオタクや萌えの研究での第一人者、酒井順子はいわずと知れた「負け犬の遠吠え」で有名な作家。二人の世の中を斜から眺めたような、また、心理面から奥深く見たような意見の交換です。
単に負け組み、勝ち組では語りきれない格差について考えさせられます。

斎藤氏は、希望が持てないだけでなく、絶望的なことを語りながらも、意外なほどあっけらかんとした「明るさ」が見えるといいます。つまり、希望だけでなく、絶望することも困難なのだと。
格差は大きな流動性から生まれますが、極端に流動化するとマネーに関すると富める者がますます富めるようになります。また、教育なら、ますます偏差値の格差が広がります。本書の性愛ということからは、モテル人間はますますモテル。それは、モテル人間はもし失恋しても(リスク)すぐに相手を見つけられる(リスクヘッジ)ので、失恋のダメージは少ない。だから、気軽に異性を誘い、結果としてますますモテルことになるということです。

本書で取り上げられる愛の形として、「負け犬」「おたく」「ヤンキー」「腐女子」といったトライブ(部族)が登場します。サラリーマンの私としては、まさに知らない世界を垣間見ることができる一冊です。

斎藤氏の分析によると、最近のデータから初交年齢(初体験)が上昇しているそうです。理由としては、男性が情勢並みに関係性に配慮し始めたこと。(ファッションセンスに現れているといいます) もうひとつが、多くの男性が「所有」の欲求を生身の女性以外の対象で充足してしまって、現実の男女関係に踏み出さなくなった感があること。さらに、男性に関しては、「据え膳食わぬは・・・」的な悪い意味での男性原理が希薄になっていると。時折、日本でもスーパーフリーみたいな犯罪が起こりますが、国際的に見た場合の性犯罪率は相当低いようです。
性欲が低下したというより、「優しさ」へのシフトへと好意的に捉えることもできるといいます。
また、社会規範をみると、かつての規範が緩み、男性は無理に押し倒さなくてもいいんだとなり、女性はもっと積極的にふるまっていいんだとなり、現在は、一過性の均衡状態にあるのではないかともいいます。

酒井氏は、負け犬女性の立場から、結婚について言い訳できない時代になって来たといいます。バブルの時代は、女性側に「結婚なんてしなくていいわ」という意識があったし、キャリア確立のために非婚の言い訳が出来たのですが、今や、結婚も子供も仕事もという雰囲気があると感じているようです。逆に、言い訳が出来ない時代だからこそ、居直って「負け犬」が登場したのかも。

本書が面白いのは、二人の対談が、わざわざ、秋葉原でメイド喫茶に言ったり、池袋の乙女カフェにでかけ、実際の若者を見ながら対談するので、相当リアリティがあります。酒井氏は秋葉のロリコンポルノにはいいてけっこうショックを受けたようです。女性だけでなく、普通の男子にとっても理解はしがたいでしょうが。「萌え」ということばを斎藤氏が定義しています。いろいろ解釈はあるだろうけど、結局、「脳内恋愛」であり、現実の実態のないキャラクターに対して強烈な恋愛感情を抱く状態を意味していると。要するにオタクかどうかの分かれ目は、アニメやゲームの独特の絵(髪の毛が緑色だったり、目が顔の半分近くあったり)に欲情できるか否かだと。
初交年齢が高くなっていると、最初に書きましたが、オタクは、風俗にもあまりいかないということです。これはプライドの問題が大きいということです。性関係に対して理想も高く、潔癖症だったりしますし、性だけでなく、対人関係においても潔癖症があったりして、風俗に近づかないようです。

さて、最近はオタクが脚光を浴びているようですが、若者文化を大雑把にわけると「オタク」「ヤンキー」「サブカル」の3つに分かれます。一説によると、ヤンキーは日本人の7~8割を占めるとまで言われています。
先日、各地で成人式が行われましたが、毎年暴れまわっているのはヤンキーであり、言われるとよく目にする気もします。また、渋谷などを歩いていても、ヤンママが子供を二人くらい連れて闊歩しているのを見ます。
経済的に見ても、大きなマーケットを持っているなずで、パチンコ産業30兆円を支えているのも、ヤンキーではないかと考えられ、ヤンキーをよく研究し、それが支える文化を考えないといけないのでしょう。ヤンキーといえば、カネがないと考えがちですが、ヴィトンなどの高級品や光物をささえてもいるのです。

本書で私が知らなかったのは、「腐女子」というものです。やおい愛好者を腐女子と呼ぶのだそうですが、そもそも「やおい」とは、「やまなし」「おちなし」「いみなし」の頭文字をとったもので、女性が女性のために創作する男同士の性愛を描いた作品ジャンルのことだそうです。池袋に乙女カフェというものがあり、宝塚歌劇のような男装の女性が相手をしてくれるそうです。
美男同士のセックスを描いたマンガを本屋で見たことがありますが、男子としては気持ちが悪いですが、ひとつのジャンルとして確立しているのですね。本当は、マンガのようなゲイではないでしょうが、まさに女性が作ったゲイのあり方のようです。

全体を通しては、80年代は努力やセンスや外見次第で差はどうにでもなるということがわかってきた時代で、そのジタバタが面白かった時代だったのですが、今は明らかにジタバタする人は少なくなってきています。
三浦展の「かまやつ女」などを読むと、ジタバタが全くないのが良くわかります。酒井氏は時代が「緩くなった」と表現しています。斎藤氏は、上の世代が「もっと希望を持て」という叱咤激励は、それこそ余計なおせっかいかもしれないといいます。
本書では酒井氏が斎藤氏にオタクややおいなどを教えてもらいながら対談をしていくのですが、酒井氏が気になったのは、それぞれの文化である島に「男だけ」とか「女だけ」とかひとつの島にひとつの性しか住んでいないケースが多いことに気がつきます。酒井氏の「負け犬」も女性同士の世界ですものね。日本では、小さな島同士の間では互いに理解しあう風潮が生まれているようだが、実は男と女という最も基本的かつ最も大きなトライブ間で、「どっちが勝ちか」とか「どっちが幸せか」といった諍いが盛んに行われ、その結果、「もういいや」と同性同士が固まるようになっているのではと推測しています。
両者の距離を遠くさせているのは、性愛ですが、両者の距離を近づけるのもまた性愛なのでしょう。

「性愛」格差論―萌えとモテの間で Book 「性愛」格差論―萌えとモテの間で

著者:斎藤 環,酒井 順子
販売元:中央公論新社
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2007年1月13日 (土)

私の読書歴(18年後半)

昨年は6月25日のブログで100冊読書達成をお知らせしましたが、18年は結局、200冊ならず、191冊どまりでした。仕事もあるし、週末には、たまった経済雑誌(日経ビジネスなど)を読まなければならず、なかなか、200冊は私にとっては難しいです。イチローは毎年200安打以上なんて、やっぱり凄いな。

101 ドコモが銀行を追い抜く日 岩田昭男
102 金持ちの陰謀「年収格差100倍時代」の生き方「基礎の基礎」 森永卓郎
103 強い会社をつくりなさい! 小山昇
104 「うつ」な気分が晴れる本 墨岡孝
105 ヤフー・ジャパン完全活用本 創藝社
106 人が育つ会社をつくる 高橋俊介
107 「知」のソフトウェア 立花隆
108 人事制度イノベーション 滝田誠一郎
109 人を大切にする経営 池上孝一/岡村直昭
110 やる気を引き出すシンプルなしかけ 白潟敏朗
111 技術空洞 宮崎琢磨
112 インサイト 桶谷功
113 仕事の報酬とは何か 田坂広志
114 「うつ」な人ほど強くなれる 野口敬
115 Web2.0でビジネスが変わる 神田敏晶
116 勝つ人の考え方 負ける人の考え方 林野宏
117 学習する会社のナレッジ・コーポレーション 菊森淳文
118 世界がわかる宗教社会学入門 橋爪大三郎
119 知的プロフェッショナルへの戦略 田坂広志
120 パラレルワールド ミチオ・カク
121 天使の卵 村山由佳
122 ブログ進化論 岡部敬史
123 アマゾる 津田大介
124 少子化「必毒」ジョーク集 坂井博通
125 東京タワー リリー・フランキー
126 Presents 角田光代
127 なぜ、働くのか 田坂広志
128 [新版]あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 渋井真帆
129 「キャバクラ」の経済学 山本信幸
130 人生の成功とは何か 田坂広志
131 企画書は1行 野地秋嘉
132 食がわかれば世界経済がわかる 榊原英資
133 仕事力 青版 朝日新聞社
134 フラット化する社会(上) トーマス・フリードマン
135 21世紀のJAZZ百科事典 スイングジャーナル
136 ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち(1) 塩野七生
137 市場最強の経済大国 日本は買いだ 佐々木英信
138 数学的思考 芳沢光雄
139 ベイルートからエルサレムへ トーマス・フリードマン
140 マオ 誰も書かなかった毛沢東(上) ユン・チアン
141 マオ 誰も書かなかった毛沢東(下) ユン・チアン
142 仕事力 朝日新聞社
143 デフレは終わるのか 安達誠司
144 メガトレンド2010 パトリシア・アバディーン
145 萌え経済学 森永卓郎
146 クール・ジャパン 世界が買いたがる日本 杉山知之
147 ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち(2) 塩野七生
148 人口減少デフレは始まっている 公文敬
149 行動経済学 友野典男
150 LOHSAに暮らす ピーター・D・ピーダーセン
151 日本をロハスに変える30の方法 NPOローハスクラブ
152 資源インフレ 柴田明夫
153 結婚がこわい 香山リカ
154 トレンド記者が教える消費を読むツボ 石鍋仁美
155 伊藤元重のマーケティング・エコノミクス 伊藤元重
156 追跡!値段ミステリー 日本経済新聞社
157 論争 格差社会 文春新書編集部編
158 超「格差拡大」の時代 長谷川慶太郎
159 「本を読む子」は必ず伸びる! 樋口裕一
160 いきいきロハスライフ!LOHAS イデトシカズ
161 複雑な世界、単純な法則 マーク・ブキャナン
162 「自由な時代」の「不安な自分」 三浦展
163 アメリカの不正義 天木直人
164 SNS的仕事術 鶴野充茂
165 新・富裕層マネー 日本経済新聞社編
166 ジャズ事始 鎌田善治
167 ゴールデン・サイクル 嶋中雄二
168 下流社会マーケティング 三浦展
169 格差社会 橘木俊詔
170 ブランドの条件 山田登世子
171 ニッケル・アンド・ダイムド バーバラ・エーレンライク
172 最後の言葉 川嶋あい
173 日経MJトレンド情報2007 日経MJ編
174 16歳の白い地図 川嶋あい
175 今日から私も投資信託デビュー! 横山利香
176 中学生への授業をもとにした世界一簡単な「株」の本 監修・松本大
177 木村剛の財産を守るための投資戦略の発想法 木村剛
178 富の未来(上) アルビン・トフラー
179 会社の寿命10年時代の生き方 道幸武久
180 長谷川健太郎の大局を読む「株」 長谷川慶太郎
181 これから10年、黄金時代の日本 ビル・エモット
182 グーグル・アマゾン化する社会 森健
183 戦争経済に突入する日本 副島隆彦
184 夢をかなえる投資塾 逢坂ユリ
185 富の未来(下) アルビン・トフラー
186 投資信託情報の選び方・使い方 藤沢久美
187 ローマ人の物語悪名高き皇帝たち(3) 塩野七生
188 株は本当にやめるべきか 木戸次郎
189 これから5年地価は半値になる 井上昭義/浅野夏紀/橋本淳也
190 世界でもっとも美しい10の科学実験 ロバート・P・クリース
191 日本経済は本当に復活したのか 野口悠紀雄

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2007年1月 7日 (日)

富の未来

「富の未来」  アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー

かつて「第三の波」などの著書で未来を予言した著者ですが、それが、今や現実となり、現代に起きている事象を幅広く捉えて見せてくれています。
30年近く前になるでしょうか、昔、ダニエル・ベルという社会学者が「脱・工業化社会論」を発表して以降、本書のトフラーはじめ、堺屋太一の「知価社会」やレスター・サローの「知識資本主義」など数多くの著作が生まれていますが、本書は、まさに、時代が音を立てて変わろうとしている最中に、工業化社会以降を総括したような内容になっています。

トフラーは、本書で取り上げる革命的な変化は、産業革命に匹敵するか、それを上回るほどの大規模な激変であるといいます。相互に関係がないように思える何千、何万もの変化が積み重なっていく、新しい経済体制となり、産業革命によって、「近代」が生まれたように、まったく新しい生活様式と文明が生まれる、そういう激変であると。

本書のタイトルで「富」という言葉を使っていますが、ここでいう「富」は金銭だけを意味するものではありません。生活を支えているものには、もうひとつ、ほとんど探求されていないが、じつに魅力的な並行経済があると言います。この並行経済でわれわれは、金銭を使わないまま、多数の必要や欲求を満たしており、この二つの経済、金銭経済と非金銭経済を組み合わせたものを、本書では「富の体制」と呼んでいます。

新しい富の体制は、めったに登場しないし、登場するときには単独では現れません。それぞれの富の体制には、新しい生活様式、いいかえれば新しい文明が付随します。企業組織が変わるだけではなく、家族制度、音楽と美術、食料、ファッション、人の美しさの基準、価値観、宗教観、個人の自由についての考え方も変わります。
よくも悪くもアメリカは、いま、富の創出の革命的な方法の中心に築かれた文明の最先端にいます。本書では、多くをアメリカの事例を元に(もちろんアメリカ人の読者を意識して)書かれています。アメリカの革命的な富の体制とそれに伴って起こった社会と文化の変化は、世界的な反米感情となっていますが、しかし、そのアメリカもいつまでも、この革命の先頭を維持できるかはわからないのです。

富の移動という観点でみると、人類の歴史上最大級の移動が起こっていると言います。それはアジアへの移動です。欧米が圧倒的な経済力を長期にわたって誇ってきたために忘れられていることが多いのですが、わずか500年前、技術力がもっとも高かったのは、ヨーロッパではなく、中国であり、世界経済生産の65%をアジアが生み出していたのです。1980年代に中国政府が共産主義者らしからなく、富の追及を認め、奨励する政策をとるようになって以降、90年代には水門が全開になりました。2003年までに、アメリカ企業は総額450億ドルを投資し、さらに中国製品に巨大な市場を提供しています。この2003年がアジアにとっての分水嶺となりました。中国にシンガポール、韓国、台湾を加えると、購買力平価で換算したGDPがヨーロッパの5台大国(ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スペイン)の合計に等しくなっています。もちろん、この数字には日本もインドも加わっていません。
日本やインドを加えると、アジア6カ国で、EUに加盟する25カ国の合計より、そしてアメリカより、購買力平価で換算したGDPが3兆ドル多くなります。
世界的に見て、富の中心が、そして富の創出の中心が大きく移動してきたのです。経済の中心がまずは中国から西ヨーロッパに移動し、次にアメリカに移動し、今では歴史の大きな円運動が完成して、数世紀ぶりにアジアに戻ろうとしているのです。

本書では、単に富の中心が変わっていることを言っているのではありません。工業化時代は石油が中心でしたが、知識がそれにとって変わろうとしています。石油は使うとなくなりますが、知識は使っても減るものではありません。逆に増えていくものです。既存の経済学は資源配分に関する科学だといわれていますが、もはや経済学の基盤も通用しなくなってきています。

全体を整理すると、第一に世界ではいま、富を生み出す方法の歴史的な変化が起こっている。これは新しい生活様式、新しい文明の誕生という大きな動きの一部であり、今のところアメリカがこの動きの最先端に位置している。
第二に、企業や経済専門家が詳細に渡って検討している「基礎条件」は表面に近い部分にあるものであり、そのはるか下に「基礎的条件の深部」がある。そして時間、空間、知識を中心に、基礎的条件の深部にある要因との関係をわれわれは革命的に変化させている。
第三に、金銭経済はもっと大きな富の体制の一部でしかなく、ほとんど注目されていないが、「生産消費活動」と呼ぶものに基づく世界的で巨大な非金銭経済から提供されている価値に依存している。

本書では、日本についても1章を割いて、日本に残る古い体制についての記述があり、興味深く読むことが出来ます。新たな時代に適応するための軋轢を感じられます。
本書は大作で、話があちこちに飛びまくりですが、知識やプロシューマーという概念が目に焼きつきました。時間があれば、一度は読んでおいて損はしない本だと思います。

富の未来 上巻 Book 富の未来 上巻

著者:A. トフラー,H. トフラー
販売元:講談社
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2007年1月 6日 (土)

数学的にありえない

ダビンチ・コードが好きな人には、うってつけのミステリーということで読んでみました。
さすがに、ストーリーは一ひねりも二ひねりもあって面白いので、あっという間に読むことができましたが、私の感覚としては、ダビンチ・コードのように知的冒険を期待していたのですが、ちょっと肩透かしです。
タイトルは「数学的に・・・」なので、もっと数学の公式や定理を使った話を期待していたのですが、ちょびっと量子論が語られるくらいで、知的好奇心をくすぐるものではありませんでした。
ミステリーか、ハードボイルド小説としては、もちろん面白いですよ。たぶん、ダビンチのような知的冒険を期待したのが私の不覚でした。
あらすじは、話せませんが、主要登場人物として、ロシア人のCIAスパイが登場するのですが、そこで使われていたパソコンがソニーのバイオでした。先日、映画で007を見たので、スパイがバイオを使うのかと思ってしまいました。(007はソニー映画なので、バイオを使うのは当たり前ですが)
それと、007と共通なのが、ポーカーの勝負がかかっていることです。007は、相手を観察して手を読むのですが、本書では、主人公の予知能力が鍵となります。

毎度、ビジネス書ばかりですが、たまには娯楽小説も、頭をスッキリさせてくれます。

私の主治医もこの本が好きだといっていたので、感想を述べたところ、本書の面白さがわからないのは理系の頭が無いからだといわれました。本当に、全編に、知的なところがあり、数学的にありえないと言うことは、光速より早い思考がもたらすもので、それが理解できないと、本質がわからないのでは、とのこと。思考が光速に近づけば、相対性理論によって、自分より相手の時間が速くなり、相手の未来が見えるのでしょうか?私にとってはそれさえわかりません。

数学的にありえない〈上〉 Book 数学的にありえない〈上〉

著者:アダム ファウアー
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