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2007年4月 4日 (水)

ハイコンセプト

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 Book ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

著者:ダニエル・ピンク
販売元:三笠書房
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「ハイコンセプト」  ダニエル・ピンク

「アメリカでは、この本に書いてあることが業界を超えて大きなうねりになっている。日本も例外ではない!」と宣伝されています。
ざっくり言えば、左脳だけの論理ではなく、これからの時代は右脳の感性も必要だということです。
アメリカ人にとっては、新鮮なことかも知れませんが、ひょっとすると本書を読んだ多くの日本人にとっては、今までやっていたことが書かれているのかも知れません。どちらかというと、右脳主義の日本人が、欧米のように左脳的な論理を学べと言われていたように思いますが、アメリカ人自らが、これからはハイタッチなサービスが必要だと言い出したようです。
副題も情報化社会からコンセプチュアル社会へとなっています。日本でも精神性などが逆輸入されているようですが、少し昔の日本人の生き方が見直されたという感じです。

著者の現状認識を見ていくことにしましょう。
先ず、第1の波(農耕社会)は、アルゼンチンやオーストラリアが圧倒的に強い。日本のように農産物輸入を規制しているところは、農民も何とか食べているが、それは納税者の犠牲の上に成り立っており、早晩持ちこたえられなくなる。
第2の波(産業社会)は、世界の生産基地となった中国が持っていってしまう。
そして第3の波(情報化社会)は、インドが世界のメイン舞台だ。これに中欧、アイルランド、オランダ、フィリピン、モーリシャス、マレーシアといった意外な国々が続いている。
我々はどうしたらいいのか。第4の波である。情報化社会からコンセプチュアルな社会、既成概念にとらわれずに新しい視点から物事を捉え、新しい意味づけをしていくという流れだ。国家や自治体より、企業よりも個人が富を生み出す時代であると。
著者は、そういう突出した個人は6つの感性が重要であり、それを磨かないといけないとうことを言います。
6つの感性(センス)とは、「デザイン」(機能だけでなくデザイン)、「物語」(議論より物語り)、「調和」(個別よりも全体のシンフォニー)、「共感」(論理ではなく共感)、「遊び」(まじめだけでなく遊び心)、「生きがい」(モノよりも生きがい)です。
特にアメリカでは、極めて分析的に社会生活を捉える思考やアプローチが体制を占めていました。MBAなどがそうです。高い教育を受けた情報処理技術者や専門知識を身につけた人など「ナレッジ・ワーカー」の時代でした。
しかし、私たちは今、新たな時代を迎えようとしています。その新しい時代を動かしていく力は、これまでとは違った新しい思考のアプローチであり、そこで重要になるのが「ハイコンセプト」「ハイタッチ」なのです。

著者は、読者に今の仕事をこのまま続けてよいかどうかのチェックポイントとして、次のように自ら問いかけようといいます。
1. 他の国なら、これをもっと安くやれるだろうか。
2. コンピュータなら、これをもっとうまく、早くやれるだろうか。
3. 自分の提供しているものは、この豊かな時代の中でも需要があるだろうか。

1と2の答えがYES、あるいは、3がNOなら、あなたが抱える問題は深刻ですよと。
今の時代を生き延びられるかどうかは、対価の安い海外のナレッジ・ワーカーや、高速処理のコンピュータにもできない仕事をやれるか、そして豊かな時代における非物質的で解しがたい潜在的欲求を満足させられるかどうかにかかっている。だから、もはやハイテクだけでは不十分なのだと。
大いに発展したハイテク力を、「ハイコンセプト」と「ハイタッチ」で補完する必要がある。ハイコンセプトとは、芸術的・感情的な美を創造する能力、パターンやチャンスを見出す能力、相手を満足する能力、見たところ関連性のないアイデアを組み合わせて斬新な新しいものを生み出す能力などである。ハイタッチとは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取れる能力、自分自身の中に歓びを見出し、他人にもその手助けをしてやれる能力、ありふれた日常生活の向こうに目的と意義を追求できる能力などである。

著者は、コンセプトの時代の幕は開きつつあり、生き延びるためには著者が説明したようなハイコンセプト、ハイタッチな能力を身につけなければならないことは明らかだといいます。

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