2008年11月 5日 (水)

経済構造の変化

昨夜、東大大学院教授の伊藤元重さんのセミナーを聞いた。
マスコミは、経済悪化を微に入り細をうがち報道して、悪い側面ばかり伝えたり、1929の世界恐慌の二の舞のような報道をするが、さすが大学教授の話で、世界経済を零細に分析し、どうして現状のようになったのか、過去の大恐慌と何が違うのかなどを説明してくれた。
経済が悪化してい悪い側面も多いが、中には良い兆しをきちんと見ているなと感じた。
伊藤氏の視点としては、以下。
1.金融の視点:しばらくは問題が続くだろうが、リーマンの破たんという一番恐ろしいものを見てしまったので、それ以上のことは起こらないだろう。しかし、中国への波及もあり、資産価格の下落⇒輸出の低迷と続き、世界経済への影響は大きい。
2.景気の問題:低迷はしばらく続くとの結論。日本は低成長であったが、世界経済は過去40年間で、直近8年間の成長が一番大きい。つまり、山高ければ谷深しとのこと。
3.世界経済:3年くらいで順調な軌道に。新興工業国が復活する。伊藤氏は楽観的にみている。

なぜ、こんな金融危機が起こったのかについては、面白い説明があった。(マスコミでは、グリーンスパンの舵取りを責めたり、新自由主義を非難したりしているが、かなり納得のいく説明に思った)

1.テクノロジーショック:本格的な技術革新が起こるとバブルが生まれる。29年も自動車や電機技術などが発達。現在は、IT化、デジタル化。
2.世界的な金あまり:先進国が一斉に高齢化。年金基金による金あまりが発生。⇒金融の世界が膨張
3.新興国の台頭:新興国は貯蓄率が高い。BRICsや産油国のマネーが米国に急激に流れた。⇒金融バブル

米国で金融バブルが破裂して、世界で需要不足が起こった。需要過多は米国だけ。日本は国内で金を使わないので、金は米国へ。世界中のものは米国が一手に買っていた。
つまり、悪いのは、米国がものを買いすぎたこと、金融の監督が弱かったこと、米国以外がものを買わないことの3つである。
経済がなかなか回復しないのは、米国が立ち直らないとものを買う人がいないので、米国の回復を待つ必要があるため。

日本は、どうするのか。円高で騒ぐが、85年の円高で不動産や流通などが儲け、バブルが生まれるくらい景気が良くなった。ただし、現在は、円高になっても、日本を引っ張る産業がない。
その場合は、政策を通して、需要をつくるしかない。高齢化してはいても金は持っているので、いかに高齢化の中で需要を作るかがポイント。
(新自由主義ではなくケインズ的です。オバマが勝てば、クルーグマンのいうような経済になるかも)

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2006年11月12日 (日)

核兵器保有議論

最近、中川昭一政調会長の「核保有の議論をしてもいいんじゃない」といったことで、国会でも大きな議論となりました。

野党やまして与党の中にも非核三原則を持つ日本として、議論することもままならぬという議論が始まりました。

国会の党首会談で民主党の小沢代表が、そんなことを議論するのはおかしいといいながら、自分の核保有はしないという見解をしゃべり、安倍総理に、そういうことを言うのを議論と言うんじゃないですかと、いなされていました。

北朝鮮が核実験をしたこの機会を捉えて、私は思い切り国会で議論をすればいいと思っています。想像ですが、最終的な結論としては、非核とはなると思うのですが、それはそれでいいのです。アジアの周辺国は、非核三原則を持っているからといって、おいそれと日本が核武装を絶対しないとは見てくれないでしょう。隣国が核保有した機会を逆に捉えて、海外メディアに取り上げられるように大議論をして、日本は、唯一の被爆国であり、世界に核の悲惨さを伝える必要があること、絶対に核に頼らないことを宣言してしまえば、周辺諸国に安心感や信頼感を与えられますし、世界に各軍縮のメッセージを伝えられるのではないでしょうか。

野党も中川氏の言葉尻を捉えて、攻撃したつもりなのかも知れませんが、逆に平和を願うメッセージを伝えられるチャンスとして議論をするということを考えなかったのでしょうか。安倍政権の失態をつついているつもりなのかも知れませんが、もっと視野を広くして、日本の立場を世界に伝えることを考えるべきでしょう。それが国益を優先した行動だと思うのですが。

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2006年11月 4日 (土)

今後の日本経済の見通し

10月31日に日銀の福井総裁が、記者会見に応じて、景気の先行きについて「息の長い拡大を続ける」というシナリオに自身を示しました。企業部門の好影響が家計に反映し、息の長い景気拡大が続くというものです。

私は、福井総裁の分析は基本的に正しいと思います。

ただし、現状、企業利益は好調ですが、それが家計部門にはなかなか落ちてこないのが現実だと思います。多くのお勤めの方もボーナスでちょっと実感できるところでしょうか。私の勤め先でも、毎年人件費ファンド(総人件費額)は据え置かれたままになっています。利益が上がってきたからといって、すぐに基本給のベースアップにつながる状況にないし、上げてしまえば、利益が落ちた時に、基本給を下げる軋轢を考えると、相当中長期の見通しが明るくなければできないことでしょう。

日銀も企業部門からかけ部門への波及が予想より遅れていることを認めているようです。ただ、方向性は、家計部門へ金が流れるということはほぼ間違いないとは思われます。

しかし、1点気になることがあります。福井総裁の分析に「基本的」に賛成なのですが。

マクロで見ると、日本全体の企業利益は増加していますが、増益企業数で考えると、全企業数の一部であるはずです。つまり、少数の勝ち組企業が日本全体の企業収益を押し上げているということです。日本は大企業より、中小企業が圧倒的に多く(当然、大企業、中小企業に関係なく、増益組とそうでない組に2極化していることと思いますが)、本当に日本経済全体が元気になってきたとはいえないということです。

大多数の会社が利益を出して税金に跳ね返ったり、家計部門に金が流れ個人消費が活性化するところまで行かないと本物の景気拡大とは言えないのではないでしょうか。経済構造の転換がまさに今行われている時期だと思うので、既存の業種全体が浮上するとは思えませんが、一部企業だけの増益だけでは、本物の景気回復とはいえないでしょう。

ともかく、マクロでみれば、勝ち組企業の社員が個人消費を支える先駆けとはなるでしょうが。

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2006年8月13日 (日)

壊れる消費市場

昨年は、2極化をテーマにした本がたくさん出ました。また、今年は、国会でも格差問題が取り上げられるようになりました。

いろいろなデータからは、しっかりとした2極化はわかりません。

しかしながら、確かに底辺層は目につくようになりましたし、テレビでも特集が組まれたりします。

どこの会社でも同じだとは思いますが、人件費を変動化させることが、さも正しい経営でもあるかのように正社員を減らし、派遣社員など非正規社員を増やしてきました。わが社でも、バブル崩壊後、いち早く新規採用を控え、その分、派遣社員を増やしました。この戦略はたぶん成功だったと思いますが、どの会社も同じことをやりだすと、人件費が抑えられコスト削減にはなっても、マクロで考えると、家計部門へ流れるお金が少なくなり、消費市場が縮小することになります。

各企業にとって正しい選択が、全体で見ると結局、市場を失わせていることになります。合成の誤謬です。

最近、気になっているのが家電業界です。薄型テレビが世界的に流行で、各社の競争も激しく、製品価格がどんどん下がってきました。

テレビで見たんだと思いますが、シャープの亀山工場では、働いている多くの人は、派遣会社からの時給働きの人々で、24時間3交代勤務をしているそうです。アパートを与えられて、バスで工場との間を往復させられます。仕事は肉体的に相当ハードなようです。しかし、いくら頑張ったところで所詮アルバイト、それで生計が立てられるような賃金はもらえません。

ちょっと考えてみてください。世界に向けて液晶テレビを作っている工場で働いている人々は、低賃金で液晶テレビを買うどころか、年金も払えないような労働者です。シャープだけではなく、どこの会社も似たり寄ったりだと思います。

ただ、シャープが気になったのは、日本市場では強いのですが、アメリカ市場やヨーロッパ市場では、ソニーやサムスンより弱いということです。日本でできる限りコストカットして、ヨーロッパやアメリカで、今後勝てないことがあればシャープの液晶市場はどうなるのでしょうか。自国市場で、労働コストを下げてしまい、肝心の自国での消費市場を壊してしまっているということになります。

昔、ヘンリー・フォードは、フォード工場で働く労働者でも買える車を作ると言って、規格大量生産を始めました。生産側での利益とともに、消費者の利益も考えています。

富裕層も多くはなりましたが、大企業がニッチ市場だけで生き残っていくわけにはいきません。

また、最近は労働者の賃金がやっと上がってきましたが、経済の全体の伸びよりも低くなっています。(当然、賃金は遅行指標になっているくらいなので仕方ありませんが)

しかし、経営者も、労働者は「家に帰れば消費者」であることを忘れないように経営を行ってほしいものです。(ヒトはコストではなく、資源・資産だということを忘れないで)

「天に唾する」ような経営はやめてもらいたいです。

Book シャープの「オンリーワン経営」―“自前主義”を貫く液晶王国の秘密

著者:舘沢 貢次
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2006年8月11日 (金)

SSとしてのサウジアラビア

前回、前々回と航空機テロ阻止とイラクの内戦状態について考えてみましたが、米国が、アルカイダやフセイン独裁体制に異議を唱え、怒りを爆発させていることについて、もう少し考えてみました。

米国は、イラクの大量兵器保有の疑惑から独裁者フセインを倒し、イラクの地に民主国家をつくると言いました。

独裁国家と言えば、北朝鮮も同じで、米国ブッシュ大統領は悪の枢軸として悪者扱いしました。(私も北朝鮮の現状を見るにつけ不快感を覚えますが)

でも、独裁国家といえば、サウジアラビアもそうですよね。王政独裁が続いています。21世紀になっても古代や中世のように、王様が独裁しているなんて国がありますか?不思議です。

しかし、米国はサウジに米軍を置かせてもらったり、武器まで供給しているありさまです。

なぜ、米国はサウジに何も言わないのでしょう。

本当のところ、米国はサウジのことを国とも思っていないのかも知れません。

何と思っているのか。

「ガソリンスタンド」 そう、サウジは米国のガソリンスタンド。サウジの「S」は、SSの「S」だと思っているのではないでしょうか。

アルカイダのリーダーであるオサマ・ビンラディンは、サウジの名門の出で、大学を出ているインテリです。ビンラディン以外にもサウジのカネ持ちの息子たちは当然学歴も高く、欧米に留学することもあります。

逆に大学に行き、世界を見るようになってしまうと、サウジの政治の後進性に気がついてしまうことは十分にあるでしょう。

米国がサウジをガソリンスタンドとしか見ていないことがわかれば、当然反発も起こると思います。

米国にとって、サウジと今後とも付き合っていく場合には、徐々に「若い世代」と交渉していかねばならないはずです。

今までのように王政を認めていくだけでは、将来大きな対立が生まれてくるでしょう。

さらに、現在起こっている対立が大きくなることは間違いありませんし、アルカイダによるテロ攻撃も当面停まることはないでしょう。

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デジャヴュ -イラク内戦状態-

イラクでは、米国によるフセイン打倒後、逆に自爆テロが横行するなどで、市民生活が脅かされている。

フセイン政権下では、フセイン独裁体制の下、恐怖政治ではあったが、微妙なバランスが取れており、決して良いとは言えないが、国内は今より安定していた。(今は民主主義になるための生みの苦しみなのか?)

現在は、イスラムシーア派、スンニ派、クルド人と仁義なき抗争が続いている。

議会で仲良くけんかしてくれればいいのだが、市中で市民を巻き込んだテロの応酬はごめんだ。

この光景にデジャヴュを感じませんか。

そういつか見た光景。

年月はうろ覚えですが、80年前後のレバノンは内戦状態だったのではなかったでしょうか。(最近イスラエルがレバノン領内に攻め入っているので思い出しました)

キリスト教の右派と左派、イスラム教のシーア派とスンニ派など、どことどこが戦っているのかわからないくらい血で血を洗う抗争でしたよね。現在は、イスラムのシーア派とスンニ派の激しい抗争は誰もが知っているでしょうが、昔はレバノンではキリスト教の右派と左派も激しい抗争だったはずですよね。

テロの応酬は、国を荒廃させるだけなのに、イラクのテロ組織も歴史に学んで欲しいよね。

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航空機テロ

2006年8月10日ロンドン警視庁スコットランドヤードは、英国から米国へ向かう旅客機の爆破テロを察知し、21人の容疑者を拘束した。米国は、アルカイダの関与があるかも知れないと発表した。

2001年9月11日から始まった新たな戦争がいまだに続いていることを再認識させられ、恐怖が走った。

21世紀はまたもや戦争の世紀になるのだろうか。

テロリストたちは、テロによって自分たちの主張が世界に認められると思っているのだろう。

横道にそれるが、冷静に考えてみると、テロによって世界の注目を浴び、世間が認めた組織がある。PLO(パレスチナ解放機構)だ。PLOはパレスチナ人の代表となり、その後アラファト議長はノーベル平和賞までもらった。(PLOの初期は決して褒められたものではないと思うが、後期の貢献は相当評価されたのだろう)

しかし、テロによって突破口が開けることなんて、どう考えてもありえるとは私には思えない。

アルカイダにしろ、欧州の底辺で苦しんでいる外国人労働者や移民たちにしろ、解決策はテロではないはずだ。

話し合いの場が必要だが、今の国連ではだめだ。

安保理も結局大国の意思に左右されてしまっている。

現代の新しい戦争に対応できる新たな国連が求められる。

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2006年8月10日 (木)

怖い中東情勢

イスラエルのヒズボラやレバノンに対する攻撃は治まる気配がない。
ヒズボラ側も国連の調停案を拒否するし。

ヒズボラといえば、80年くらいにイランでパーレビ国王が打倒され、ホメイニ氏が政権に就いたときに、イランの支援で作られたテロ組織だ。

ヒズボラは、イランやシリアのイスラムシーア派の支援で強大になり、今やレバノンの議会にも人を送り込むまでになっている。

このまま戦争が拡大し、イスラエルがシリアやイランまで攻撃しだすとどうなるのだろう。

石油価格は、NYマーカンタイルで最高値を更新し、日本でもガソリンの小売価格が最高値をつけている。

アメリカもイスラエルに天才ライス長官が行ったけど、どうも形ばかりで、本気で停戦させる気はないみたい。

戦争の拡大で、さらに石油価格が高騰すれば、どこが困るのだろう。
アメリカは困らないの?アメリカ国民は石油を多く消費しているから困るんじゃないの。米国資本のメジャーは、仕入れが高くなっても、高く売りつけるから困らないの?
中国なんて高度成長期なので、ダメージが大きいんじゃないの。中国経済が減速すると、(アメリカ人やヨーロッパ人は日本経済は中国経済圏の中にあると思ってる馬鹿が多いので)日本売りにもつながるのかな。

景気が下降して、インフレになるって最悪のシナリオじゃない。

戦争が早く終結することを祈る。

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